SnowStack.EncodingProbe 1.2.0 解説 — ファイル出力・変換コマンドと世界の言語への対応

2026/09/30 document update

SnowStack.EncodingProbe のバージョン 1.2.0 で行った変更の解説です。

1.2.0 の変更は、大きく二つに分かれます。

対象 変更の内容
PowerShell コマンドレット(SnowStack.EncodingProbe.PowerShell) Out-ProbedFile と Convert-ProbedContent の 2 コマンドを追加しました
クラスライブラリ(SnowStack.EncodingProbe) 東アジア以外の言語と、香港の Big5 を正しく判定できるようにしました

1.1.0 のときは「NuGet パッケージのコードは変更していません」と書きましたが、今回はクラスライブラリの判定処理そのものを改修しています。

コマンドレットは内部でこのクラスライブラリを使っているので、判定の改善は Resolve-Encoding や Get-ProbedContent にもそのまま効きます。

この記事は、1.1.0 で導入した「統一語彙」(utf8NoBOM のような文字エンコーディングの名前の体系)を前提にしています。統一語彙の解説は、以下の記事で行っています。

SnowStack.EncodingProbe.PowerShell 1.1.0 新コマンド解説

インストール方法は、以下の記事をご覧ください。

SnowStack.EncodingProbe.PowerShell 解説

(この記事に掲載した実行結果は、すべて実機で採取したものです。採取日は 2026年9月28日(リリース前の最終修正に関する部分は 9月30日)、環境は Windows 11 上の PowerShell 7.6.6 と Windows PowerShell 5.1.26100 です。バイト列の確認には、1.1.0 の記事で紹介した Show-Bytes 関数を使っています)

1.2.0 で追加した 2 つのコマンド

コマンド 役割 標準の対応物
Out-ProbedFile オブジェクトを整形して、ファイルに書き出す Out-File
Convert-ProbedContent 既存のファイルの文字エンコーディング・BOM・改行を変換する (なし)

1.1.0 で追加した Get-ProbedContent / Set-ProbedContent / Add-ProbedContent と合わせて、テキストファイルの読み書きに使う標準コマンドの代わりが、一通り揃ったことになります。

Out-ProbedFile — 表や一覧を、文字エンコーディングを指定して書き出す

同じ Out-File が、PowerShell のバージョンで違うバイト列を書く

1.1.0 の記事は Set-Content の実験から始めましたが、Out-File でも同じことが起きます。

以下の 1 行を、Windows PowerShell 5.1 と PowerShell 7.x の両方で実行してみてください。

# PowerShell 標準の Out-File で、文字エンコーディングを指定せずに書き出す
'abc' | Out-File .\std.txt
ホスト できたバイト列
Windows PowerShell 5.1 FF FE 61 00 62 00 63 00 0D 00 0A 00 ← BOM 付きの UTF-16LE
PowerShell 7.x 61 62 63 0D 0A ← BOM 無しの UTF-8

Windows PowerShell 5.1 の Out-File は、既定で BOM 付きの UTF-16LE を書きます。リダイレクト演算子の > も、中身は同じ Out-File です。

-Append で追記すると、さらに困ったことになります。

# 既定の文字エンコーディングで書いた後、UTF8 を指定して追記する
'abc' | Out-File .\std2.txt -Append
'def' | Out-File .\std2.txt -Append -Encoding UTF8
ホスト できたバイト列
Windows PowerShell 5.1 FF FE 61 00 62 00 63 00 0D 00 0A 00 64 65 66 0D 0A
PowerShell 7.x 61 62 63 0D 0A 64 65 66 0D 0A

Windows PowerShell 5.1 では、UTF-16LE のファイルの後ろに UTF-8 のバイト列が付け足されています。

標準の Out-File は、追記先のファイルの文字エンコーディングを見ません。一つのファイルの中に、二つの文字エンコーディングが混ざってしまいました。

1.2.0 の Out-ProbedFile で書くと、両方のホストで同じ結果になります。

# Out-ProbedFile で、文字エンコーディングを指定せずに書き出す
'abc' | Out-ProbedFile .\probed.txt
ホスト できたバイト列
Windows PowerShell 5.1 61 62 63 0D 0A
PowerShell 7.x 61 62 63 0D 0A

Set-ProbedContent があるのに、なぜ Out-ProbedFile が必要なのか

1.1.0 の Set-ProbedContent でもファイルは書けます。しかし Set-ProbedContent は、受け取ったオブジェクトをそのまま文字列にするコマンドです(標準の Set-Content と同じです)。

Get-ChildItem や Get-Process の結果を、画面に表示されるのと同じ表の形でファイルに残したいときは、Out-File を使います。

# 画面に出る表の形のまま、BOM 無しの UTF-8 で書き出す
Get-ChildItem | Select-Object Name, Length | Out-ProbedFile .\list.txt utf8NoBOM

Out-ProbedFile は、この Out-File の役割を受け持つコマンドです。

標準の Out-File のパラメータをすべて持っていて、そこに -EncodingFrom / -LineBreak / -AllowEncodingChange / -Culture / -Strategy を加えています。

-Encoding は Out-File と同じく 2 番目の位置パラメータなので、上の例のように Out-ProbedFile .\list.txt utf8NoBOM と書けます。

同じになるのは「符号化」、同じにならないのは「整形」

ここは、最初に正確に書いておきます。

Out-ProbedFile の処理は、二つの層に分かれています。

層 内容 5.1 と 7.x で同じ結果になるか
整形の層 オブジェクトを、表や一覧の文字列にする ならない(実行中の PowerShell に任せる)
符号化の層 文字列を、文字エンコーディング・BOM・改行を付けてバイト列にする なる(このコマンドの存在理由)

整形は、PowerShell 標準の Out-String -Stream を呼び出して行っています。自前の整形処理は持っていません。

そのため、表の形は標準の Out-File と同じく、PowerShell のバージョンによって違います。実測で確認した違いは以下のとおりです。

違い Windows PowerShell 5.1 PowerShell 7.x
表の各行の末尾の空白 列幅まで空白で埋める 埋めない
切り詰めの記号 ... …
全角文字の幅の数え方 文字数 表示幅
-Width 省略時の幅(非対話の実行時) 119 120

表や一覧の前後に入る空行の数も違います。

文字列を渡した場合は整形の影響を受けないので、両方のホストでバイト単位まで同じ結果になります。

表の形まで揃えたい場合は、Out-String の代わりに、自分で文字列を組み立ててから渡してください。

-Encoding の省略と Auto は、意味が違います

Out-ProbedFile では、-Encoding を省略した場合と、Auto を明示した場合とで意味が違います。

指定 -Append なし(上書き・新規作成) -Append あり
省略 utf8NoBOM 追記先から継承する。追記先が無い、または 0 バイトなら utf8NoBOM
Auto 出力先の既存ファイルから継承する。無ければ終了エラー 追記先から継承する。無ければ終了エラー
語彙名・WebName・数値 その値 その値(整合性検査あり)

Set-ProbedContent は「省略 = Auto」でしたが、Out-ProbedFile は違います。ここは注意してください。

Out-File の用途は、ほとんどが「新しくファイルを作る」ことです。そのたびに、これから捨てる既存ファイルの文字エンコーディングを判定して、判定に失敗したら止まる、というのでは使い物になりません。

そこで、省略時は判定を行わず、utf8NoBOM に決めています。

-Append の場合だけは、追記先から継承します。追記で文字エンコーディングが混ざる事故を防ぐためです。

Auto を明示した場合は、Set-ProbedContent と同じく「既存ファイルの性質を保って上書きする」という意味になります。出力先が無ければ、継承元が無いのでエラーです。

# 存在しないファイルに Auto で書こうとする
'x' | Out-ProbedFile .\none.txt -Encoding Auto
ファイル '...\none.txt' が存在しないため、文字エンコーディングを継承できません。
-Encoding で明示的に指定するか、-EncodingFrom で別のファイルから継承してください。

-Append は、追記先の文字エンコーディングを保ちます

Shift_JIS のファイルを作って、-Encoding を付けずに追記してみます。

# Shift_JIS・LF でファイルを作る
'日本語' | Out-ProbedFile .\sj.txt shift_jis -LineBreak Lf

# -Encoding を付けずに追記する
'追記' | Out-ProbedFile .\sj.txt -Append
Show-Bytes .\sj.txt
  バイト列
作成直後 93 FA 96 7B 8C EA 0A
追記後 93 FA 96 7B 8C EA 0A 92 C7 8B 4C 0A

追記した「追記」も Shift_JIS(92 C7 8B 4C)で書かれ、改行も LF(0A)のままです。追記先の文字エンコーディングと改行を、判定して引き継いでいます。

-Encoding を明示して追記する場合は、Add-ProbedContent と同じバイト列比較の整合性検査を行います。

# Shift_JIS のファイルに、日本語を UTF-8 で追記しようとする
'追記' | Out-ProbedFile .\sj.txt -Append -Encoding utf8NoBOM
'...\sj.txt' に文字エンコーディング 'utf-8' で追記できません。
'utf-8' で符号化したバイト列が、このファイルの現在の文字エンコーディング 'shift_jis' で
符号化したバイト列と異なるため、追記するとファイル全体の一貫性が失われます。
文字エンコーディングを変えることが意図どおりであれば -AllowEncodingChange を指定してください。

ファイルは 93 FA 96 7B 8C EA 0A 92 C7 8B 4C 0A のまま、何も書き足されていません。

検査は 1 行ずつ、書き込む前に行います。途中の行で不一致を検出した場合は、その手前の行までが書かれて止まります。書かれた行は比較が成立した行だけなので、ファイルが二つの文字エンコーディングで混ざることはありません。

バイト列比較の考え方は、1.1.0 の記事の「整合性検査はバイト列で判定します」で解説しています。

SnowStack.EncodingProbe.PowerShell 1.1.0 新コマンド解説

読み終える前に、ファイルを消しません

標準の Out-File には、知っていないと必ず事故になる挙動があります。

# 標準の Out-File で、読んだファイルに書き戻そうとする
Get-Content .\r.txt | Out-File .\r.txt

実行すると、r.txt は 0 バイトになります。 中身はすべて消えます。

標準の Out-File は、処理の開始時点(上流のコマンドがファイルを読む前)に、出力先のファイルを切り詰めてしまうからです。

Out-ProbedFile は、ファイルを開くのを「最初の 1 行を書く直前」まで遅らせています。そのため、同じファイルを読み書きしていることを検出してから止まれます。

# Out-ProbedFile で、読んだファイルに書き戻そうとする
Get-ProbedContent .\r.txt | Out-ProbedFile .\r.txt
'...\r.txt' は読み取り中のため、書き込み先に指定できません。
同一のファイルを1つのパイプラインで読み書きすると、読み終える前にファイルが切り詰められます。
$text = Get-ProbedContent <path> -Raw のように、いったん変数に受けてください。

エラー ID は、1.1.0 の Set-ProbedContent と同じ SamePathRoundTrip です。r.txt は元のまま残ります。

-LineBreak が決めるのは、行の後ろに付ける改行だけです

-LineBreak で指定するのは、各行の後ろに付ける改行です。

渡した文字列の中に、あらかじめ改行が含まれている場合("arnb" など)、その改行は置き換えません。

これは標準の Out-File / Set-Content と同じ挙動で、1.1.0 の Set-ProbedContent / Add-ProbedContent も同じです。1.2.0 で、この点をヘルプに明記しました。

ファイルの中の改行をすべて揃えたい場合は、後で解説する Convert-ProbedContent を使ってください。

標準の Out-File との違い

Out-ProbedFile は、標準の Out-File とできるだけ同じ挙動にしていますが、意図的に変えた箇所があります。

項目 標準の Out-File Out-ProbedFile
-Encoding の既定 5.1 は BOM 付きの UTF-16LE、7.x は BOM 無しの UTF-8 上書き・新規作成は utf8NoBOM、-Append は追記先から継承
-Append の整合性 追記先を見ない バイト列比較で検査する
ファイルを切り詰める時点 処理の開始時点 最初の 1 行を書く直前
$null を 1 個渡した場合 BOM だけのファイルになる 0 バイトのファイルになる
別名 -Path / -LP PowerShell 7.x だけ Windows PowerShell 5.1 でも使える
-LiteralPath のパイプライン入力 プロパティ名で受け取る 受け取らない

$null の行は、BOM の規則を「1 行でも書いたときにだけ BOM を書く」に統一した結果です。

# $null を 1 個だけ渡して、BOM 付きの UTF-8 を指定する
$null | Out-File .\n1.txt -Encoding utf8BOM        # → EF BB BF(BOM だけ)
$null | Out-ProbedFile .\n2.txt -Encoding utf8BOM  # → 0 バイト

-LiteralPath をパイプラインから受け取らないのは、Get-ChildItem | Out-File と書いたときに、Get-ChildItem の出力の PSPath が出力先として意図せず束縛される紛らわしさを避けるためです。Out-ProbedFile がパイプラインから受け取るのは、書き出すオブジェクト(-InputObject)だけです。

パラメータ一覧

パラメータ 型 説明
-FilePath string 出力先(位置 0、別名 -Path)。ワイルドカードは 1 件に解決されること
-LiteralPath string 出力先。ワイルドカード非対応(別名 -PSPath / -LP)
-InputObject PSObject 書き出すオブジェクト。パイプライン入力に対応
-Encoding 多形 統一語彙ほか(位置 1)。省略時の規則は上記
-EncodingFrom string 参照ファイルから継承する
-LineBreak Auto / CrLf / Lf / Cr 各行の後ろに付ける改行
-Append switch 追記する
-AllowEncodingChange switch -Append の整合性検査を行わない
-NoClobber switch 出力先が既に存在する場合はエラーにする(別名 -NoOverwrite)
-Force switch 読み取り専用のファイルにも書き込む
-Width int 整形の幅。省略時は Out-String の既定
-NoNewline switch 改行を付けずに連結して書く
-Culture string 判定に用いるカルチャー名
-Strategy string 判定方式
-WhatIf / -Confirm — SupportsShouldProcess に対応

-NoClobber / -Force / -Append の組み合わせの挙動は、標準の Out-File を実測して、同じ結果になるようにしています。

-Culture と -Strategy が効くのは、-EncodingFrom の参照ファイル、Auto での出力先、-Append での追記先を判定するときです。

Out-ProbedFile のエラーは、すべて終了エラーです

Out-ProbedFile の出力先は、常に 1 ファイルだけです。

出力先に関する失敗は「1 ファイルも処理できない」ことになるので、失敗はすべて終了エラーにしています。標準の Out-File も同じです。

Set-ProbedContent では非終了エラーだった「読み取り専用で -Force なし」なども、Out-ProbedFile では終了エラーになります。基準は同じで、出力先が 1 件か複数かの違いです。

これらのエラーは、-WhatIf を付けたときにも報告します。

# 既に存在するファイルへ、-NoClobber と -WhatIf を付けて書き出そうとする
'x' | Out-ProbedFile .\exists.txt -NoClobber -WhatIf
ファイル '...\exists.txt' は既に存在します。-NoClobber が指定されているため上書きしません。

-NoClobber、読み取り専用のファイル、-EncodingFrom の参照先の問題など、ファイルを変更せずに確かめられる失敗は、「書き込みます」という -WhatIf の表示ではなく、実行したときと同じエラーになります。詳しくは、後の「-WhatIf で、実行すれば失敗することが分かるようにしました」で解説します。

Convert-ProbedContent — 既存のファイルを変換する

既存のテキストファイルの文字エンコーディング・BOM・改行を変換して書き直すコマンドです。

1.1.0 までも、Get-ProbedContent -Raw で読んで Set-ProbedContent で書けば変換はできました。しかし、ファイルの数だけ手順を書く必要があり、失敗したときの後始末も利用者の責任でした。

Convert-ProbedContent は、これを 1 コマンドで、安全に行います。

# Shift_JIS などのファイルを、BOM 無しの UTF-8・改行 LF に変換する(その場で上書き)
Convert-ProbedContent *.txt -Encoding utf8NoBOM -LineBreak Lf

# 元の文字エンコーディングは知らなくてよい。BOM だけ外す
Convert-ProbedContent *.txt -Bom Remove

# フォルダーの下をまとめて変換する
Get-ChildItem -Recurse -Filter *.cs | Convert-ProbedContent -Encoding utf8BOM

# 元のファイルはそのまま残し、別のフォルダーへ書き出す
Convert-ProbedContent *.txt -Encoding utf8NoBOM -Destination .\out

変換元の文字エンコーディングは、自動で判定します。

対象の探し方(再帰や絞り込み)は、Get-ChildItem に任せています。-Recurse / -Include / -Exclude のようなパラメータは持っていません。

文字列の置換など、内容の加工も行いません。加工が必要な場合は、rmsmf-txprobe & mfsr-mfprobe の mfsr などを使ってください。なお、Convert-ProbedContent と mfsr は独立したコマンドで、仕様は揃えていません。

実行例

改行が CR-LF と LF の混在した Shift_JIS のファイルを、BOM 無しの UTF-8・改行 LF に変換します。

Convert-ProbedContent .\sjis.txt -Encoding utf8NoBOM -LineBreak Lf -PassThru
Path            : C:\work\sjis.txt
Destination     : C:\work\sjis.txt
SourceEncoding  : shift_jis
SourceCodePage  : 932
Encoding        : utf8NoBOM
SourceLineBreak : LfAndCrLf
LineBreak       : Lf
Changed         : True
  バイト列
変換前 93 FA 96 7B 8C EA 0D 0A 41 0A
変換後 E6 97 A5 E6 9C AC E8 AA 9E 0A 41 0A

「日本語」が UTF-8 の 9 バイトになり、CR-LF(0D 0A)が LF(0A)に揃いました。

-PassThru を付けると、変換したファイル 1 件につき 1 個の結果を出力します。付けなければ何も出力しません。

プロパティ 内容
Path 変換元の絶対パス
Destination 書き込み先の絶対パス(その場での変換は Path と同じ)
SourceEncoding 変換元の文字エンコーディング(統一語彙名)
SourceCodePage 変換元のコードページ番号
Encoding 変換先の文字エンコーディング(統一語彙名)
SourceLineBreak 変換元の改行(混在なら LfAndCrLf など)
LineBreak 変換先の改行
Changed 変換結果が変換元と異なるか

変換を元に戻すには、SourceCodePage を使います

-PassThru の結果を取っておけば、変換したファイルを元の文字エンコーディングに戻せます。

元に戻すときは、変換元の種類によって、-Encoding に渡す値を使い分けてください。

変換元 -Encoding に渡すもの
Unicode 系(UTF-8 / UTF-16 / UTF-32) SourceEncoding(utf8BOM のように、BOM の有無まで表す名前)
それ以外(Shift_JIS / EUC-JP / Big5 / windows-1252 など) SourceCodePage
# EUC-JP のファイルを UTF-8 に変換して、結果を取っておく
$r = Convert-ProbedContent .\legacy.txt -Encoding utf8NoBOM -PassThru

# 元の EUC-JP に戻す
Convert-ProbedContent .\legacy.txt -Encoding $r.SourceCodePage

Unicode 系で SourceEncoding を使うのは、コードページ番号では BOM の有無を表せないからです。

では、Unicode 系以外で、なぜ名前(SourceEncoding)ではだめなのでしょうか。

実は EUC-JP には、.NET 上で 20932 と 51932 の二つのコードページがあります。判定結果が 20932 のファイルでも、SourceEncoding の名前は euc-jp になり、euc-jp という名前を渡すと 51932 として扱われます。

この二つは、一部の文字の割り当てが違います。たとえば「〜」(波ダッシュ)は、20932 では U+301C、51932 では U+FF5E(全角チルダ)に対応します。

「受付は 10 時〜12 時です。」という行を含む EUC-JP のファイルを変換すると、次のようになります。

SourceEncoding  : euc-jp
SourceCodePage  : 20932
Encoding        : utf8NoBOM

これを名前で戻そうとすると、エラーになります。

# 名前で戻そうとする
Convert-ProbedContent .\legacy.txt -Encoding $r.SourceEncoding
'...\legacy.txt' の 2 行 9 桁目の文字 U+301C '〜' は文字エンコーディング 'euc-jp' で
表現できないため、変換しませんでした。ファイルは変更していません。

Convert-ProbedContent は文字を失う変換を行わないので(次の節で解説します)、ファイルは壊れずに残ります。しかし、元に戻すこともできません。

番号(SourceCodePage)で戻せば、元のファイルとバイト単位で一致しました。 Windows PowerShell 5.1 でも同じ結果です。

文字を失う変換は、行いません

Convert-ProbedContent で一番大事にしたのは、この点です。

変換によって文字が失われることは、ありません。 失われる場合は、そのファイルを変換しません。

一つ目は、変換先の文字エンコーディングで表現できない文字がある場合です。

# 日本語と韓国語が混ざった UTF-8 のファイルを、Shift_JIS に変換しようとする
Convert-ProbedContent .\k.txt -Encoding shift_jis
'...\k.txt' の 2 行 5 桁目の文字 U+D55C '한' は文字エンコーディング 'shift_jis' で
表現できないため、変換しませんでした。ファイルは変更していません。

Shift_JIS にはハングルがありません。.NET の既定の動作では、このような文字は黙って ? に置き換えられます。Convert-ProbedContent は置き換えずに止まり、最初に表現できなかった文字と、その行・桁を示します。

二つ目は、変換元に、その文字エンコーディングとして不正なバイト列がある場合です。

# Shift_JIS のファイルを、UTF-8 だと指定して変換しようとする
Convert-ProbedContent .\s.txt -SourceEncoding utf8 -Encoding utf8BOM
'...\s.txt' には文字エンコーディング 'utf8NoBOM' として不正なバイト列がある
(バイト位置 2: 93)ため、変換しませんでした。ファイルは変更していません。
文字エンコーディングの判定が誤っている場合は -SourceEncoding で指定してください。

不正なバイト列を黙って U+FFFD(置換文字)にして変換すると、元のファイルの情報が失われます。これも、変換せずに止まります。

どちらの場合も非終了エラーで、そのファイルは無傷のまま残ります。他のファイルの処理は続きます。

表現できない文字を置き換えて変換するスイッチは、意図的に用意していません。 置き換えてよい場合は、利用者が事前に文字列を加工してください。「変換で文字が失われない」ことを、このコマンドの保証にしたかったからです。

-Bom で、BOM だけを変えられます

-Bom には Add と Remove を指定できます。

# BOM を付ける
Convert-ProbedContent .\a.txt -Bom Add

# BOM を外す
Convert-ProbedContent .\a.txt -Bom Remove

-Encoding を省略すれば、元の文字エンコーディングのまま、BOM だけが変わります。元の文字エンコーディングが何だったかを、利用者が知っている必要はありません。

BOM を持てるのは、Unicode 系の 5 系統(UTF-8 / UTF-16LE / UTF-16BE / UTF-32LE / UTF-32BE)だけです。それ以外の文字エンコーディングへの指定は、以下のように扱います。

指定 変換先が Unicode 系 変換先が Unicode 系以外(Shift_JIS など)
-Bom Add BOM を付ける エラー(そのファイルは変換しない)
-Bom Remove BOM を外す 何もしない

Remove を「何もしない」にしたのは、Get-ChildItem -Recurse | Convert-ProbedContent -Bom Remove のように、種類の混ざったファイル群へまとめて掛けたときに、エラーが大量に出ないようにするためです。外す BOM が無いのだから、要求は満たされています。

-Bom を付ければ、裸の utf8 が使えます

1.1.0 の書き込み系のコマンドでは、裸の utf8 を受け付けませんでした。PowerShell 5.1 と 7.x で、BOM の有無の解釈が逆になるからです。

Convert-ProbedContent でも、-Bom を付けなければ同じくエラーになります。

Convert-ProbedContent .\s.txt -Encoding utf8
書き込みでは 'utf8' を指定できません。UTF-8 は PowerShell 5.1 と 7.x で BOM の解釈が
異なるため、'utf8NoBOM' または 'utf8BOM' のいずれかを明示してください。

しかし、-Bom を付けた場合は受け付けます。

# 「UTF-8 にして、BOM を付ける」
Convert-ProbedContent .\s.txt -Encoding utf8 -Bom Add

裸の utf8 を拒否していたのは、BOM が曖昧になるのを防ぐためでした。-Bom があれば BOM は曖昧ではないので、utf8 を「系統の名前」として扱えます。utf-8 のような WebName も同様です。

utf8NoBOM と -Bom Add のように、指定どうしが食い違った場合はエラーになります。

-LineBreak は、ファイルの中の改行をすべて揃えます

ここは、書き込み系のコマンドとは意味が違います。

コマンド -LineBreak の意味
Set-ProbedContent / Add-ProbedContent / Out-ProbedFile 各要素(各行)の後ろに付ける改行を決める。文字列の中の改行は置き換えない
Convert-ProbedContent ファイルの中のすべての改行(CR-LF / LF / CR)を指定の改行に揃える

ファイルの中の改行を揃えることが、このコマンドの役割だからです。

最後の行の末尾に改行があるかないかは、元のまま保ちます。改行を足したり削ったりはしません。

-LineBreak を省略した場合は、混在した改行も含めて、元のまま保ちます。

途中で失敗しても、元のファイルは壊れません

その場で変換する場合は、同じフォルダーに一時ファイルを書いてから、元のファイルと置き換えます。

変換の途中で失敗しても、元のファイルは壊れません。失敗したときは、一時ファイルも削除します。

また、変換結果が元のバイト列とまったく同じなら、書き直しません。

# 同じ変換をもう一度実行する
Convert-ProbedContent .\sjis.txt -Encoding utf8NoBOM -LineBreak Lf -PassThru |
    Select-Object Changed
Changed
-------
  False

このとき、ファイルの更新日時も変わりません。すでに変換済みのファイルが混ざったフォルダーに何度実行しても、変換が必要なファイルだけが更新されます。バックアップや同期ツールが、変換していないファイルまで「更新された」と見なすことがありません。

読み取り専用のファイルは、-Force を付けたときだけ変換します。変換した後、読み取り専用の属性は元に戻します。

-WhatIf / -Confirm は、ファイルごとに効きます。

-WhatIf を付けた場合も、実行すれば失敗するファイル(表現できない文字や不正なバイト列があるもの、読み取り専用のもの、-Destination の出力先に同じ名前のファイルがあるものなど)は、実行したときと同じエラーとして報告します。-WhatIf の表示が出たファイルは、実際に実行しても、その検査では止まりません。

ただし、-WhatIf / -Confirm のメッセージは、変換しても内容が変わらず、実際には書き直さないファイルにも表示されます。これは仕様です。-Confirm を指定して確認を求めたのに、ファイルによって確認が省かれると、かえって不具合に見えるためです。

-Destination で、別のフォルダーへ書き出す

-Destination にフォルダーを指定すると、元のファイルはそのまま残し、変換結果をそのフォルダーへ書き出します。

# Shift_JIS・CR-LF のファイルを、out フォルダーへ UTF-8 で書き出す
Get-ChildItem -Filter s2.txt | Convert-ProbedContent -Encoding utf8NoBOM -Destination .\out
ファイル バイト列
s2.txt(元のまま) 93 FA 0D 0A
out\s2.txt E6 97 A5 0D 0A

-LineBreak を指定していないので、改行は元の CR-LF のままです。

-Destination には、以下の決まりがあります。

  • 出力先のフォルダーは、あらかじめ作っておいてください。存在しない場合はエラーになります(フォルダーは作成しません)
  • Get-ChildItem -Recurse から受け取った場合も、フォルダー構造は保ちません。 すべて -Destination の直下に置きます
  • 出力先に同じ名前のファイルがある場合はエラーです。-Force を付ければ上書きします
  • 同じ実行の中でファイル名が重なった場合、2 件目以降はエラーになります。-Force を付けても上書きしません(同じ実行で書いたファイルを消さないためです)。この重なりは、-WhatIf を付けた場合も報告します

判定を誤るファイルは、-SourceEncoding で指定します

変換元の文字エンコーディングは、Resolve-Encoding と同じ処理で判定しています。

判定を誤るファイルがある場合は、-SourceEncoding で変換元の文字エンコーディングを明示してください。明示した場合は判定を行いません。

# 変換元が EUC-JP だと分かっているファイルを、UTF-8 に変換する
Convert-ProbedContent .\old.txt -SourceEncoding euc-jp -Encoding utf8NoBOM

-Culture と -Strategy は、判定を行うときだけ使われます。

パラメータ一覧

パラメータ 型 説明
-Path string[] 変換元(位置 0)。ワイルドカード対応
-LiteralPath string[] 変換元。ワイルドカード非対応。Get-ChildItem の出力はここに束縛される
-Encoding 多形 変換先の文字エンコーディング(位置 1)。省略時は変換元のまま
-EncodingFrom string 変換先を参照ファイルから継承する
-Bom Add / Remove 変換先の BOM。省略時は変えない
-LineBreak Auto / CrLf / Lf / Cr 変換先の改行。省略時(Auto)は変えない
-SourceEncoding 多形 変換元の文字エンコーディング。省略時は判定する
-Culture string 変換元の判定に用いるカルチャー名
-Strategy string 変換元の判定方式
-Destination string 出力先のフォルダー。省略時はその場で上書き
-Force switch 読み取り専用も変換する。-Destination では同名ファイルを上書きする
-PassThru switch 結果を出力する
-WhatIf / -Confirm — ファイルごとに効く

-Encoding / -EncodingFrom / -Bom / -LineBreak のどれも指定しない場合は、何も変換しないのでエラーになります。

-Encoding Auto も受け付けません。「変換元のまま」は、-Encoding の省略で表します。

変換元にフォルダーが渡された場合(Get-ChildItem -Recurse の出力に含まれます)は、エラーにせず飛ばします。

注意 — ファイル全体をメモリに読みます

Convert-ProbedContent は、文字を失わないことを確認するために、ファイル全体をメモリに読んでから変換します。

非常に大きなファイルを変換する場合は、メモリの使用量に注意してください。

既存のコマンドの変更

1.1.0 以前からあるコマンドの変更は、以下の四つです。いずれも、既存のスクリプトの動作を壊す変更ではありません。

変更 対象のコマンド
-Force の後に、読み取り専用の属性を元に戻す(不具合の修正) Set-ProbedContent / Add-ProbedContent
-LineBreak の範囲をヘルプに明記(挙動は変更なし) Set-ProbedContent / Add-ProbedContent
-WhatIf で、実行すれば失敗することを報告する Set-ProbedContent / Add-ProbedContent
PSEncodingName に I do not know. が入らないようにした(不具合の修正) Resolve-Encoding

-Force の後に、読み取り専用の属性を元に戻すようにしました

これは 1.1.0 の不具合の修正です。

1.1.0 の Set-ProbedContent / Add-ProbedContent は、-Force で読み取り専用のファイルに書き込んだ後、読み取り専用の属性を外したままにしていました。

標準の Set-Content / Add-Content / Out-File は、いずれも書き込んだ後で属性を元に戻します。1.2.0 では、これに合わせました。

# 読み取り専用のファイルに、-Force で書き込む
Set-ItemProperty .\ro.txt IsReadOnly $true
Set-ProbedContent .\ro.txt -Value 'y' -Encoding utf8NoBOM -Force
(Get-Item .\ro.txt).IsReadOnly
True

書き込みが途中で失敗した場合も、属性は元に戻します。Out-ProbedFile と Convert-ProbedContent も、同じ処理を共用しています。

-LineBreak の範囲を、ヘルプに明記しました

Set-ProbedContent / Add-ProbedContent の -LineBreak は、要素の後ろに付ける改行だけを決め、文字列の中に含まれる改行は置き換えません。

これは 1.1.0 からの挙動で、変更はしていません。ヘルプに書いていなかったので、5 言語のヘルプに明記しました。

-WhatIf で、実行すれば失敗することが分かるようにしました

-WhatIf は、「実行したら何が起きるか」を確かめるためのパラメータです。

ところが 1.1.0 の Set-ProbedContent / Add-ProbedContent は、読み取り専用のファイルのように、実行すれば失敗するファイルに対しても、-WhatIf では「書き込みます」という表示を出していました。

# 読み取り専用のファイルに、-Force を付けずに -WhatIf で書き込もうとする(1.1.0)
Set-ProbedContent .\ro.txt -Value 'X' -Encoding utf8NoBOM -WhatIf
What If: ターゲット "...\ro.txt" に対して操作 "Set-ProbedContent" を実行しています。

1.2.0 では、ファイルを変更せずに確かめられる失敗は、-WhatIf のときにも報告します。

# 同じことを 1.2.0 で行う
Set-ProbedContent .\ro.txt -Value 'X' -Encoding utf8NoBOM -WhatIf
'...\ro.txt' は読み取り専用です。書き込むには -Force を指定してください。
読み取り専用の属性は書き込み後に元に戻します。

報告されるエラーは、-WhatIf を付けずに実行したときと同じです(エラー ID も同じ WriteAccessDenied です)。

コマンド -WhatIf でも報告するようになったもの
Set-ProbedContent / Add-ProbedContent 読み取り専用のファイル(-Force なし)、書き込み先のフォルダーが無い

1.2.0 で追加した Out-ProbedFile と Convert-ProbedContent も、同じ方針で作っています。

なお、エラー ID は 1.1.0 と同じですが、エラーメッセージの文面は変わりました。1.1.0 では .NET の例外の文面(実行環境によって変わります)をそのまま表示していましたが、1.2.0 では、このモジュールの文面(5 言語)で表示します。

PSEncodingName に「I do not know.」と表示されなくなりました

これは、1.0.0 から存在した不具合の修正です。

PowerShell 7.x で、windows-1252 や iso-8859-1 のように、PowerShell のフレンドリ名が無い文字エンコーディングを判定すると、PSEncodingName に I do not know. という文字列が入っていました。

# windows-1252 のイタリア語のファイルを判定する(1.1.0、PowerShell 7.x)
Resolve-Encoding .\it1252.txt
CodePage        : 1252
EncodingWebName : windows-1252
PSEncodingName  : I do not know.
UsePSName       : False
Bom             : False
LineBreak       : Lf
Culture         : ja-JP

1.2.0 では、この場合の PSEncodingName は空(null)になります。UsePSName は、従来どおり False です。

CodePage        : 1252
EncodingWebName : windows-1252
PSEncodingName  : 
UsePSName       : False
  • Windows PowerShell 5.1 では、もともと null でした(変化はありません)
  • Shift_JIS や EUC-JP など、このライブラリが独自に判定する文字エンコーディングの値(PowerShell 7.x の shift_jis、euc-jp など)は変わりません

UsePSName が False のときは、PSEncodingName ではなく CodePage で文字エンコーディングを指定してください。

# 判定結果のコードページで読む
$info = Resolve-Encoding .\it1252.txt
Get-ProbedContent .\it1252.txt -Encoding $info.CodePage

この値は、クラスライブラリ(SnowStack.EncodingProbe)の .NET 10 用のビルドが返しているものです。NuGet パッケージを直接使っている場合も、同じく null になります。

クラスライブラリ — 判定を、世界の言語に対応させました

ここからは、クラスライブラリ(SnowStack.EncodingProbe)の判定処理の変更です。

NuGet パッケージを直接使っている方にも、コマンドレットを使っている方にも関係します。

1.1.0 では、日本語環境でドイツ語を読むと文字化けしました

1.1.0 で、日本語の Windows から windows-1252(西欧の文字エンコーディング)のドイツ語のファイルを読むと、次のようになりました。

# 日本語環境で、windows-1252 のドイツ語のファイルを読む(1.1.0)
Get-ProbedContent .\german.txt
Gr・e aus M・chen. Die Stra゚e ist f・ Fu゚g舅ger gesperrt.

1.2.0 では、正しく読めます。

Grüße aus München. Die Straße ist für Fußgänger gesperrt.

1.1.0 の判定結果は 932 / shift_jis でした。ドイツ語のファイルを、Shift_JIS だと判定していたのです。

-Culture と -Strategy の解説 の記事では、この問題を回避するために -Strategy UtfUnknownOnly を指定するよう案内していました。1.2.0 では、既定の判定方式のままで正しく判定します。

なぜ Shift_JIS と判定していたのか

このライブラリは、二つの判定処理を組み合わせています。

判定処理 得意なもの
独自実装の判定 Unicode と、東アジアの旧マルチバイト(Shift_JIS / EUC / GBK / Big5 など)
UTF.Unknown(サードパーティ製) 欧米などのシングルバイト

既定の判定方式(Combined)では、まず独自実装で判定し、判定できなかったときだけ UTF.Unknown に任せます。

独自実装の判定は、「その文字エンコーディングのバイト構造として成立しているか」を見ています。

ところが、ドイツ語の üß は windows-1252 で FC DF の 2 バイトになり、これが Shift_JIS の外字領域の 2 バイト文字として、構造上は成立してしまいます。

独自実装が先に「Shift_JIS です」と答えを出すので、UTF.Unknown の出番がありませんでした。

韓国語の環境なら CP949、簡体字中国語の環境なら GB18030、繁体字中国語の環境なら Big5 と、同じことがそれぞれの言語の環境で起きていました。

1.2.0 の対策 — UTF.Unknown と突き合わせる

1.2.0 では、以下の対策を行いました。

一つ目は、東アジア以外のカルチャーでは、東アジアの旧マルチバイトの判定を行わないことです。

ドイツ語やフランス語の環境で、Shift_JIS や Big5 の判定を行う必要はありません。判定しなければ、誤判定も起きません。

実は 1.1.0 でも、大部分はこの動作になっていました。1.2.0 では、カルチャーごとの判定の対象を一か所の対応表にまとめ、規則として明確にしました。

ただし、Unicode(UTF-8 / UTF-16 / UTF-32)と BOM・ISO-2022・ASCII の判定は、カルチャーに関係なく行います。UTF.Unknown は BOM 無しの UTF-16 / UTF-32 を判定できないので、ここを外すわけにはいかないからです。

二つ目は、独自実装の答えを、UTF.Unknown と突き合わせることです。

東アジアのカルチャーでは、東アジアの旧マルチバイトの判定を止めるわけにはいきません。

そこで、独自実装が東アジアの旧マルチバイトを答えたときは、UTF.Unknown にも判定させます。UTF.Unknown が十分な確かさ(信頼度 0.55 超)で「シングルバイトの文字エンコーディングだ」と判定した場合は、そちらを採用します。

本物の日本語や中国語のテキストに対して、UTF.Unknown がシングルバイトを高い信頼度で返すことはないので、東アジアの言語の判定結果は変わりません。

この突き合わせは、既定の Combined だけで行います。-Strategy NativeOnly(独自実装だけで判定する)を指定した場合は行わないので、日本語環境のドイツ語は、1.2.0 でも Shift_JIS と判定されます。

三つ目は、UTF-8 の判定を厳密にしたことです。

1.1.0 の UTF-8 の判定は、多バイト文字の途中で ASCII に戻るバイト列を見逃していました。

たとえば windows-1252 のフランス語 Français は 46 72 61 6E E7 61 69 73 というバイト列で、E7 は UTF-8 なら 3 バイト文字の先頭です。しかし後ろに続くのは 61 69(ASCII の ai)なので、UTF-8 としては成立しません。1.1.0 は、これを UTF-8 と判定していました。

1.2.0 では、UTF-8 の規格(RFC 3629)どおりに検証し、途中で途切れた多バイト文字や、冗長な符号化などを、UTF-8 ではないと判定します。

判定結果の比較

ライブラリのテストデータを、1.1.0 と 1.2.0 で判定した結果です(判定方式は既定の Combined)。

日本語カルチャー(ja-JP)での結果

ファイル 1.1.0 1.2.0
ドイツ語 windows-1252 932 / shift_jis 28591 / iso-8859-1
スペイン語 windows-1252 932 / shift_jis 28591 / iso-8859-1
タイ語 cp874 932 / shift_jis 874 / tis-620
ルーマニア語 ISO-8859-16 例外で停止 判定失敗のエラー(後述)

windows-1252 のファイルが iso-8859-1 と判定されるのは UTF.Unknown の答えで、ドイツ語やスペイン語の文字の範囲では、どちらで読んでも同じ文字列になります。

スペイン語 windows-1252 を、東アジアの各カルチャーで判定した結果

カルチャー 1.1.0 1.2.0
ja-JP 932 / shift_jis 28591 / iso-8859-1
zh-CN 54936 / gb18030 28591 / iso-8859-1
zh-TW 950 / big5 28591 / iso-8859-1
zh-HK 950 / big5 28591 / iso-8859-1

確認した言語

1.2.0 では、テストデータに以下の言語を追加しました。

言語 文字エンコーディング
ドイツ語 windows-1252 / ISO-8859-1 / UTF-8
フランス語 windows-1252 / ISO-8859-15 / UTF-8
スペイン語 windows-1252 / UTF-8
ポーランド語 windows-1250 / ISO-8859-2 / UTF-8
ロシア語 windows-1251 / KOI8-R / UTF-8
タイ語 cp874 / UTF-8
エストニア語 windows-1257 / ISO-8859-15 / UTF-8
ウクライナ語 windows-1251 / KOI8-U / UTF-8
ルーマニア語 ISO-8859-16 / UTF-8
アイスランド語 windows-1252(短い文のみ)

これらを 12 のカルチャーで判定して、結果がカルチャーによって変わらないこと、復号した本文が元の本文と一致することを、自動テストで確認しています。

ただし、ウクライナ語・ルーマニア語と、アイスランド語などの短い文のデータは、後述する「判定できないもの」の現在の挙動を固定するためのデータです。正しく判定できることを確認しているわけではありません。

さらに、テストデータに無い 17 言語(31 種類の文字エンコーディング)の文で、東アジアの 5 つのカルチャーから判定する測定を行いました。通常の長さ(約 170 バイト以上)の文では、東アジアの文字エンコーディングと誤判定されたまま残るものは 0 件でした。

短い文では、まだ誤判定することがあります

正直に書いておきます。

おおむね 90 バイト以下の短いシングルバイト系のテキストを、東アジアのカルチャーで判定すると、誤った文字エンコーディングになる、または東アジアの文字エンコーディングのまま残る場合があります。

原因は、短い文に対する UTF.Unknown の判定の精度です。UTF.Unknown 自身が誤った答えを返したり、答えの信頼度が低すぎたりするので、このライブラリの側では解決できません。

短いファイルで判定を誤る場合は、-Encoding(Convert-ProbedContent では -SourceEncoding)で文字エンコーディングを明示してください。

また、以下の言語は、通常の長さの文でも判定できません。

言語 理由
ウクライナ語(windows-1251 / KOI8-U) UTF.Unknown の信頼度が低く、判定不能になる
ルーマニア語(ISO-8859-16) UTF.Unknown は判定するが、.NET がこの文字エンコーディングを提供していない

シングルバイト系の判定は、長さよりも内容で成否が決まります

上の「90 バイト以下」は、東アジアの文字エンコーディングと誤判定する経路の話です。数百バイトあれば、どんなテキストでも判定できるという意味ではありません。

windows-1252(西欧語)や ISO-8859 系のようなシングルバイトの文字エンコーディングは、バイト列の形からは区別できません。同じバイトが、どのコードページとしても「正しい文字」として読めてしまうからです。たとえば E9 は、windows-1252 では é、windows-1251 では й です。

そのため、これらは文章の統計(その言語でよく出てくる文字の並び)から推定しています。

統計で推定する以上、判定できるかどうかは、ファイルの長さよりも内容で決まります。 文字の一覧、記号や数字の多い行、その言語でふだん使わない文字が多いテキストは、数百バイトあっても判定できない(CodePage が -1)ことがあります。

イタリア語の windows-1252 のファイルで試した結果です(カルチャーは it-IT と ja-JP のどちらでも同じ結果でした)。

内容 大きさ 判定結果
普通の文章の行に加えて、アクセント付き文字の一覧の行(à è é ì í î ò ó ù ú « » °)と、記号・数字の行(Prezzo: 1.234,56 € — vecchio: 2.400.000 Lit.)を含む 197 バイト 判定できない(-1)
上から、一覧の行と、記号・数字の行を除いた普通の文章 108 バイト 28591 / iso-8859-1(正しい)
さらに Prezzo: 1.234,56 € — . の行を足したもの 131 バイト 1252 / windows-1252(正しい)

一番長いファイルだけが、判定できませんでした。

2 行目の iso-8859-1 も誤りではありません。このファイルには、windows-1252 と iso-8859-1 で読み方が違うバイト(80〜9F)が含まれていないので、どちらで読んでも同じ文字列になります。€(windows-1252 では 80)を含む 3 行目は、windows-1252 と判定されています。

判定できなかった場合は、コードページを明示して読み書きしてください。

# コードページ 1252 を明示して読む
Get-ProbedContent .\italian.txt -Encoding 1252

# 変換元のコードページを明示して、UTF-8 に変換する
Convert-ProbedContent .\italian.txt -SourceEncoding 1252 -Encoding utf8NoBOM

判定できないときに、あてずっぽうで特定の文字エンコーディングを返すことはしません。外れたときに、エラーにならないまま文字化けしたファイルができてしまうからです。判定できなければ、エラーにして明示を求めます。

実行環境の言語(カルチャー)から、シングルバイトの文字エンコーディングを推定する方法は、1.3.0 以降で検討しています。

この内容は、判定を行う 6 つのコマンド(Resolve-Encoding / Get-ProbedContent / Set-ProbedContent / Add-ProbedContent / Out-ProbedFile / Convert-ProbedContent)のヘルプ(Get-Help <コマンド名> -Full の NOTES)にも、5 言語で記載しています。

ルーマニア語で例外が出る不具合を直しました

これは、リリース済みの 1.1.0 から存在していた不具合です。

UTF.Unknown は、.NET が提供していない文字エンコーディング(ルーマニア語の ISO-8859-16 など)を答えることがあります。1.1.0 はこの場合に NullReferenceException を起こし、Resolve-Encoding や Get-ProbedContent の利用者まで、そのまま例外が届いていました。

# ルーマニア語 ISO-8859-16 のファイルを読む(1.1.0)
Get-ProbedContent .\romanian.txt
Object reference not set to an instance of an object.

1.2.0 では、判定失敗の非終了エラーとして報告し、-Encoding での明示指定を案内します。

'...\romanian.txt' の文字エンコーディングを判定できませんでした。
-Encoding で明示的に指定してください。

クラスライブラリの Detect メソッドは、この場合に例外を投げず、CodePage が -1 で、EncodingWebName に UTF.Unknown が答えた名前(iso-8859-16)を入れた結果を返します。

同じ扱いになるのは、ほかに iso-8859-10 / viscii / euc-tw などです。

クラスライブラリ — 香港の Big5 に対応しました

1.1.0 の記事で「香港(繁体字広東語)は、後のバージョンで対応する予定です」と書いていた件です。

台湾の Big5 と香港の Big5 は、区別できません

最初に、できないことを書いておきます。

香港では、台湾の Big5 に香港独自の文字(HKSCS)を追加した文字エンコーディングが使われています。

HKSCS は Big5 の上位互換で、使うバイトの範囲が Big5 を完全に含んでいます。そのため、台湾の Big5 と香港の Big5 は、バイト列から区別できません。

香港の文書であっても、判定結果は台湾と同じ 950 / big5 です。

HKSCS の固有の文字を含まない文書なら、どちらとして読んでも同じ文字列になるので、実害はありません。

.NET には、HKSCS のデコーダーがありません

もう一つ、.NET 側の制約があります。

.NET には HKSCS を読み書きする機能がありません。Encoding.GetEncoding("big5-hkscs") を呼んでも、台湾の Big5(コードページ 950)が返ってきます。

そのため、HKSCS の固有の文字は、Unicode の私用領域(U+E000〜U+F8FF)の符号位置として読み込まれます。

私用領域は、Unicode が文字の意味を決めていない領域です。日本語の Shift_JIS の外字も、同じく私用領域として読み込まれます。

私用領域の文字は、そのまま書き戻せます

私用領域の符号位置は、同じ文字エンコーディングで書き戻せば、元のバイト列に戻ります。

HKSCS の固有の文字を含む Big5 のファイルを、UTF-8 に変換して、また Big5 に戻してみます。

# 香港カルチャーで判定する
Resolve-Encoding .\hk.txt -Culture zh-HK
CodePage        : 950
EncodingWebName : big5
PSEncodingName  : big5
UsePSName       : False
Bom             : False
LineBreak       : CrLf
Culture         : zh-HK
# 読み込んで、私用領域の文字を探す
$t = Get-ProbedContent .\hk.txt -Culture zh-HK -Raw
[regex]::Matches($t, '[\uE000-\uF8FF]') | ForEach-Object { 'U+{0:X4}' -f [int][char]$_.Value }
U+F325
U+F570
U+E01F
U+E286

このファイルには、HKSCS の固有の文字が 4 つ含まれていて、それぞれ私用領域の符号位置として読み込まれています。

# UTF-8 に変換して、また Big5 に戻す
Convert-ProbedContent .\hk.txt -Culture zh-HK -Encoding utf8NoBOM
Convert-ProbedContent .\hk.txt -Encoding big5

Big5 に戻したファイルは、元のファイルとバイト単位で一致しました。

UTF-8 に変換したファイルでは、私用領域の符号位置がそのまま UTF-8 で書かれています。対応するフォントが無い環境では、その文字は正しく表示されません。

このライブラリは、私用領域の符号位置を HKSCS の文字へ写し替えることはしません。同じ私用領域の符号位置が、香港では HKSCS の文字、台湾では別の拡張文字、別の会社では独自の造字を意味することがあり、どの文字なのかはバイト列からは分からないからです。

写し替えが必要な場合は、読み込んだ文字列に対して、利用者が対応表を使って置き換えてください。このライブラリが私用領域の符号位置をそのまま返すので、その処理が成り立ちます。

日本語の外字も含めた私用領域の扱いと、置き換えの具体例は、以下の記事で解説しています。

外字(私用領域)の扱い — SnowStack.EncodingProbe

香港のために直した点

区別できないのに、何を直したのかというと、主に以下の点です。

カルチャー名の解釈を直しました。

1.1.0 は、カルチャー名を完全一致で調べていました。そのため、.NET 10 が使う zh-Hant-HK のような形のカルチャー名では、判定できませんでした。

1.2.0 では、カルチャー名を「言語・用字・地域」に分解して解釈します。zh-Hant-HK / zh-Hans-CN / zh_HK(アンダースコア区切り)なども、正しく解釈します。広東語(yue)は、香港の繁体字として扱います。

繁体字と簡体字の取り違えを直しました。

1.1.0 では、台湾・香港のカルチャーで簡体字(GBK)の文書を読むと Big5 と、大陸のカルチャーで繁体字(Big5)の文書を読むと GB18030 と、誤って判定していました。

1.2.0 では、UTF.Unknown が反対側の系統(Big5 と GB 系)を高い信頼度(0.8 以上)で答えたときは、その系統で判定をやり直します。

ファイル カルチャー 1.1.0 1.2.0
簡体字 GBK zh-TW 950 / big5 936 / gbk
簡体字 GBK zh-HK 950 / big5 936 / gbk
繁体字 Big5 zh-CN 54936 / gb18030 950 / big5
HKSCS 入りの Big5 zh-Hant-HK 判定不能 950 / big5

その他の修正

  • 香港・マカオのカルチャーでは、台湾の文字エンコーディングである EUC-TW を候補から外しました
  • Big5 の 2 バイト目の範囲を、規格どおり厳密にしました
  • コンカニ語(kok)のカルチャーを、韓国語と判定していたのを直しました(ko で始まる名前を前方一致で調べていたためです)

日本語・韓国語・繁体字中国語・簡体字中国語の環境で、それぞれの言語のテキストを判定した結果は、1.1.0 から変わっていません。

既知の限界

大陸のカルチャー(zh-CN)で、HKSCS の固有の文字を含む Big5 を読むと、54936 / gb18030 と判定されます。

HKSCS の固有の文字が入った文書では、UTF.Unknown が系統を判定できなくなるので、繁簡の取り違えの修正が働かないためです。

大陸の環境で香港の文書を読む場合は、-Culture zh-HK を指定するか、-Encoding big5 で明示してください。

ヘルプとメッセージも、香港・マカオに対応しました

1.1.0 では、香港・マカオのカルチャーの Get-Help は英語でした。

1.2.0 では、香港(zh-HK)・マカオ(zh-MO)のカルチャーで、繁体字中国語のヘルプとエラーメッセージを表示します。広東語(yue)のカルチャーのエラーメッセージも、繁体字中国語になります。

文面は台湾向けと同じ内容です。Microsoft は Windows の香港向けの言語パックの提供をやめ、台湾向けを案内しているので、香港の Windows で実際に表示される繁体字の文面に合わせました。

以下の組み合わせでは、まだヘルプが英語になります。

  • 広東語(yue)のカルチャー
  • PowerShell 7.x で、zh-Hant-TW / zh-Hant-HK / zh-Hant-MO / zh_HK のカルチャー名を使った場合

NuGet パッケージを直接使っている方へ

1.2.0 では、公開 API は変更していません。クラスもメソッドも、1.1.0 のままです。

判定結果が変わるのは、この記事で解説したケース(東アジアの環境での欧米の言語、繁簡の取り違え、香港のカルチャー名など)です。

もう一点、ストリームを渡す Detect(Stream) の不具合を直しました。

1.1.0 の Detect(Stream) は、独自実装の判定でストリームを読み切った後、そのストリームを UTF.Unknown にも渡していました。そのため、UTF.Unknown は空のストリームを見ていて、UTF.Unknown による判定が機能していませんでした。

1.2.0 では、ストリームを一度だけ読んでバイト配列にし、両方の判定に渡します。

Detect(byte[]) と Detect(string filePath) には、この問題はありません。PowerShell のコマンドレットは、この二つしか使っていないので、影響を受けていません。

また、.NET 10 用のビルドで、EncodingInformation.PSEncodingName に I do not know. という文字列が入る不具合も直しました(1.0.0 から存在した不具合です)。UTF.Unknown が windows-1252 / iso-8859-1 / windows-1251 などを答えた場合に起きていました。1.2.0 では、この場合の PSEncodingName は null になります。.NET Framework 4.8 用のビルドは、もともと null でした。

1.1.0 のときとは違い、今回はクラスライブラリの判定処理を改修しているので、1.2.0 への更新をお勧めします。

1.2.0 でも解決していないこと

1.1.0 の記事で「1.2.0 以降で扱う予定」と書いた ISO-2022 系の判定の問題は、1.2.0 では扱っていません。

現象 状態
ISO-2022-TW が ISO-2022-CN と誤判定される 未対応
SO/SI 形式の 1 バイトカナを検出できない 未対応
短いシングルバイト系のテキストを、東アジアのカルチャーで誤判定する UTF.Unknown の限界のため未対応
文字の一覧や記号の多いシングルバイト系のテキストを、判定できない(-1) 未対応(カルチャーからの推定を 1.3.0 以降で検討中)
大陸のカルチャーで、HKSCS 入りの Big5 を GB18030 と判定する 未対応

該当する文字エンコーディングを確実に扱いたい場合は、-Encoding で明示的に指定してください。判定を行わないので、これらの問題を回避できます。

コマンド早見表

1.2.0 で追加した機能を、1 枚にまとめます。

やりたいこと 書き方
表や一覧を、BOM 無しの UTF-8 で書き出す ... | Out-ProbedFile .\a.txt
表や一覧を、Shift_JIS で書き出す ... | Out-ProbedFile .\a.txt shift_jis
文字エンコーディングを保って追記する ... | Out-ProbedFile .\a.txt -Append
ファイルを UTF-8 に変換する Convert-ProbedContent .\a.txt -Encoding utf8NoBOM
改行を LF に揃える Convert-ProbedContent .\a.txt -LineBreak Lf
BOM だけ外す Convert-ProbedContent .\a.txt -Bom Remove
フォルダーの下をまとめて変換する Get-ChildItem -Recurse -Filter *.txt | Convert-ProbedContent -Encoding utf8NoBOM
元のファイルを残して変換する -Destination .\out を付ける
変換前に対象を確認する -WhatIf を付ける
変換の結果を確認する -PassThru を付ける
変換を元に戻す(Unicode 系以外) Convert-ProbedContent .\a.txt -Encoding $r.SourceCodePage($r は -PassThru の結果)
変換を元に戻す(Unicode 系) Convert-ProbedContent .\a.txt -Encoding $r.SourceEncoding
変換元の判定を誤るファイルを変換する -SourceEncoding euc-jp などを付ける
香港の Big5 を読む Get-ProbedContent .\a.txt -Culture zh-HK

以上、SnowStack.EncodingProbe 1.2.0 の解説でした。

お知らせ欄

2026年9月30日 Version 1.2.0 リリース

Version 1.2.0 をリリースしました。

PowerShell モジュールに Out-ProbedFile / Convert-ProbedContent の 2 コマンドを追加し、クラスライブラリの判定処理を改修しています。

既存のコマンドのパラメータと、クラスライブラリの公開 API は変更していないので、1.1.0 向けに書いたスクリプトやプログラムはそのまま動きます。ただし、この記事で解説したケースでは、判定結果が 1.1.0 と変わります。

あわせて、PSEncodingName に I do not know. が入る不具合(1.0.0 から存在)を修正し、Set-ProbedContent / Add-ProbedContent の -WhatIf が、読み取り専用のファイルなど実行すれば失敗することを報告するようにしました。

関連資料